夏の終わりの散歩道
2016/08/29(月) 夏の終わりの散歩道
いつもの小道に桑畑がある。
両側の緑の木が桑
桑の葉が朝陽を浴びて輝いている。
珍しく畑に人がいる。
姉さんかぶりでモンペの女性や作業服を着た男性たちである。
多分に家族総出の桑の収穫だろう。
桑の葉って今も蚕(かいこ)のエサに使ってるのかな?
だいいち、これって桑かしら?
ここを通るたびに疑問に思っていた。
作業中の姉さんかぶりの女性と目が合ったので、
会釈しながら声をかけてみた。
あの~おはようございます。これって桑ですか?
「桑だよ~」
蚕のエサに使ってた桑ですよね。
「あ~、ずっと昔ばってんね!」
今は、この桑はなんに使うんですか~?
「こら~お茶につかうと。桑の葉の茶は体によかけんね、
健康食品の会社に出荷すっとたい」
桑の実はとれないんですか?
「そら~また別品種」
そうですか~どうも~、お邪魔しました~、
ありがとうございました。
そして、歩き始めると・・・後ろの方から、
娘「なんば 言わしたつね」
母親「桑のことば、聞かしたったい」
娘「なんてね?」
母親「こん桑は蚕に使いよった桑ね?てたい」
娘「はっ? なんね蚕って?」
・・・どうやら娘さんは知らないらしい。
母親「蚕は虫たい。蚕から絹がでくっと」
娘「は~~?」
何だか面白い会話。
空気が澄んでいるので会話の内容がしっかり伝わってくる。
話が面白いので、ニンマリしながらゆっくりと歩く。
おや、近所の家の屋根に人が。
あ~ やっと屋根の職人さんが来てくれたみたい。
4カ月を過ぎてやっと。
今朝はセミの亡骸がいくつも。
飛んでいる最中に落ちたんだろう。
セミはひと夏の命というから、命あるぎりぎりまで謳歌する。
ほんとうに堂々の大往生。
「楽しかった?」と、線香1本。
暑さも衰え、心地よい風が吹いている。
ほんの20分くらいの散歩に
今年の「夏の終わり」を感じたのでした。