熊本地震関連のニュースからピックアップ -2016年9月-

熊本地震関連ニュースピックアップは、熊本日日新聞の記事より抜粋しています。

9月1日(木) 熊本地震141日目

■熊本、宇城市で震度5弱
31日午後7時46分ごろ、熊本市西区と宇城市で震度5弱の地震があった。県内で震度5以上の揺れを観測したのは6月12日以来。
熊本地方気象台によると、震源地は熊本地方で、震源の深さは13㌔。地震規模はM5,2と推定されるM5以上の規模は4月19日以来という。

■県災害対策本部が解散
県は30日、熊本地震の応急対策にめどが立ったとして、蒲島郁夫知事を本部長とする災害対策本部を解散した。今後は知事をトップとする「復旧・復興本部」主軸に、被災者や被災自治体の支援を本格化させる。新たな災害に対しては、警戒本部に移行して備える。

9月2日(金) 熊本地震142日目

■熊本地震 最初の防災の日 各地で訓練100万人参加
内閣府によると、45回目となる今回の訓練には、36都道府県で約100万人が参加。首相は官邸で開かれた緊急災害対策本部会議で「人命を最優先に、国が総力を挙げて迅速に対策を実施しなければならない」と閣僚らに指示した。今年は東日本大震災から5年の節目、4月には熊本地震、8月は台風10号による大雨などで大規模災害が相次いだ。

■県災害対策本部が解散
県は30日、熊本地震の応急対策にめどが立ったとして、蒲島郁夫知事を本部長とする災害対策本部を解散した。今後は知事をトップとする「復旧・復興本部」主軸に、被災者や被災自治体の支援を本格化させる。新たな災害に対しては、警戒本部に移行して備える。

9月3日(土) 熊本地震143日目

■台風 12号 あす県内最接近
強い台風12号は2日も勢力を強めながら奄美大島の南海上を北上した。暴風域を伴って3日から4日にかけ、九州南部や奄美地方にかなり接近し、上陸する恐れがある。
熊本地方気象台によると、県内は4日未明に県南部が台風12号の強風域に入り、同日午後までに最接近、全域が暴風域に巻き込まれるとみられ、暴風雨に警戒が必要という。海水温が高く、年間で最も潮位が高い時期のため、高潮にも注意を呼び掛けている。

■熊本 イベント中止相次ぐ
台風12号接近で、県内各地で週末に予定されていたイベントの中止が相次いだ。
熊本市は2日、熊本地震で被災した熊本城などの暴風対策に追われた。

■台風10号 犠牲者16人に
台風10号の豪雨被害にあった北海道の大樹町と新得町で2日、男性2人の遺体が見つかった。岩手県岩泉町でも新たに2人の遺体が見つかった。岩手県では同町の高齢者グループホーム「楽ん楽ん」の9人を含む12人の死亡が確認されており、台風の犠牲者は16人となった。

■熊本地震 10歳未満 初の犠牲者
合志市は2日、熊本地震後に死亡した市民3人を震災関連死に認定したと発表した。
うち1人は10歳未満の子どもで、熊本地震で直接死を含めて10歳未満の犠牲者が確認されたのは初めて。大雨による二次災害の死者を含め、犠牲者は86人となった。

9月4日(日) 熊本地震144日目

■台風 12号 あす未明 県内最接近
強い台風12号は3日、屋久島の西海上を北寄りに進み、屋久島から暴風域に入った。強い勢力のまま4日から5日にかけて九州に接近し、上陸する恐れがある。
気象庁は西日本を中心に警戒し、高波や大雨にによる土砂災害、河川の増水にも注意するよう呼び掛けた。
熊本地方気象台によると、県内は4日夜遅くから暴風域に入り、5日未明から朝にかけて最接近する見通し。

■県内 早め避難相次ぐ
台風12号がゆっくりと九州に接近した3日、熊本市など県内の市町村が相次いで避難所を開設した。北海道と東北を襲った台風10号では避難の遅れが人的被害を拡大しただけに、早めに避難する人が目立った。
荒尾市では約150戸がナシを栽培。特産のジャンボナシ「新高」は収穫を9月下旬に控え、袋がけしたナシをガムテープで枝に固定する作業を急いだ。

■熊本地震 住宅被害調査2次判定5割超重く
熊本地震の罹災証明のため、市町村が実施する住宅被害調査で、1次判定を不服として被災者が依頼した2次調査の結果、半数を超える55.7%が1次より重い被害判定になったことが3日、熊本日日新聞社の取材で分かった。

9月5日(月) 熊本地震145日目

■台風12号 熱帯低気圧に変わる
台風12号は、5日未明に長崎県長崎市付近に上陸後、日本海に抜けて、午前9時に対馬近海で熱帯低気圧に変わった。

■台風12号長崎市通過
気象庁の発表によると、台風12号は5日午前1時すぎに長崎市付近に上陸したあと北上を続け、午前8時には山口県下関市の西およそ60キロの海上を、1時間に20キロの速さで北北東へ進んでいると見られる。
中心の気圧は1002ヘクトパスカル、最大風速は18メートル、最大瞬間風速は25メートルで、中心から半径60キロ以内では風速15メートル以上の強い風が吹いている。
熊本県内で、これまでに台風12号による人的被害などは報告されていないが、この台風を警戒して、およそ600人の熊本地震での避難者とは別に45市町村中、37市町村であわせて2425人が避難所に身を寄せ、台風が過ぎ去るのを待っていた。
九州北部では断続的に激しい雨が降り、これまでの雨で、熊本県では土砂災害の危険性が非常に高くなり、「土砂災害警戒情報」が発表されている地域もある。
台風はこのあと北東へ進む見込みで、九州北部ではこのあと数時間は、局地的に雷を伴って1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降る恐れがある。また、台風から離れた四国や近畿、それに東海の太平洋側でも南から暖かく湿った空気が流れ込むため、6日にかけて大気の状態が不安定になり、局地的に非常に激しい雨が降るおそれがあり、6日の朝までに降る雨の量は、いずれも多いところで、四国で150ミリ、近畿で120ミリ、九州北部と中国地方、東海で100ミリなどと予想されている。

9月6日(火) 熊本地震146日目

■熊本地震 関連死11人認定
熊本市と菊池市、益城町は5日、それぞれ災害弔慰金等支給審査委員会を踏まえ、熊本地震の関連死認定結果を発表した。
熊本市は7人、菊池市は1人、益城町は2人を8月31日に県庁で開いた合同審査を経て、初めて認定した。益城町は5日、別の80代女性1人を4月に関連死認定していたと県に報告。県内の震災関連死は計42人となった。

■屋根から転落事故増加
熊本地震後、屋根上で作業中に転落する事故が増えている。復旧工事に伴う労災のうち「墜落・転落」は事故の形態別で、最多。一般住民の転落も目立つ。台風12号は去ったが、屋根の補強は多くの被災家屋が道半ば。熊本労働局などは危険防止の徹底を呼び掛ける。

■被害全容 依然つかめず 6人いまも安否不明
台風10号で15人の犠牲者を出した岩手県岩泉町は台風上陸から1週間、被害の全容がつかめない行政はもどかしさを募らせ、日常生活に戻る日を見通せない住民は「限界」と疲弊している。
8月30日夕、町内を流れる川の水位が急激に上昇、氾濫した濁流が高齢者グループホーム「楽ん楽ん」を襲い、入所者9人全員が死亡した。「甘い見通しだった」とホームの運営者は頭を下げた。高齢者らが避難を開始するよう促す「避難準備情報」の意味も理解していなかった。

9月7日(水) 熊本地震147日目

■熊本地震 回復「2年以内」半数超
熊本地震からの復旧・復興について、熊本日日新聞社は6日、県内主要企業へのアンケート結果をまとめた。
営業生産規模、売上高などの経営状況が被災前の水準に回復するまでにかかる期間を2年以内と見込む割合が、55.8%と半数を超えた。復興に伴う需要の高まりに約4割が期待感を示した。
回復までの期間の見通しは「1年以内」が33.9%で最も多く、「1~2年」が21.9%で続いた。ただ、「2~3年」も11.5%と2桁に達した。

■阿蘇市で稲刈り始まる
県内有数のコメどころの阿蘇市で、平地より約1カ月早く稲刈りが始まった。
熊本地震による農地の陥没や水路の損壊で作付けできなかった水田も少なくない。農家は収穫の喜びをかみしめながら作業に励んでいる。

■草千里〝散髪〟サッパリ
阿蘇山上へ通じる県道阿蘇吉田線が今月中旬に仮復旧するのを前に、周辺の観光業者や阿蘇市職員など9団体35人が6日、草千里で雑草を刈り取った。県道阿蘇吉田線は、4月16日の熊本地震本震から全面通行止めが続く。約5カ月放置された草千里一帯は至る所で雑草が生い茂り、シカやイノシシに掘り起こされた土がむき出しにの状態になっている。草原の景観を守ろうと3年前から毎年実施しているが、今年は参加者の作業に熱がこもっていた。

■免許証の期限 大丈夫? 6000人が未更新
熊本地震による特例措置で9月30日まで延長されている運転免許証更新の期限が迫っている。
8月末で約6千人が更新を終えておらず、県警は「混雑を避けて早めに手続きをしてほしい」と呼び掛けている。県警によると、特例措置は、免許の有効期限が4月14日~9月29日までを対象。
4月~9月の更新予定者13万6500人のうち、約3万人が9月に更新予定で、約6千人が特例措置による増加分と見込んでいる。

9月8日(木) 熊本地震148日目

■熊本市で震度4
7日午前1時56分ごろ、熊本市西区で震度4の地震があった。
県内で震度4を観測したのは1日以来。熊本地方気象台によると、震源地は熊本地方で、震源の深さは約10㌔。地震の規模はM3.8と推定される。県などによると、この地震による被害は確認されていない。

■益城町で 避難時を1カ所に
益城町は7日、熊本地震後に開設していた町指定避難所の町公民館福田分館を閉鎖した。
最大18カ所あった指定避難所は町総合体育館の1カ所になった。町内の避難所には、本震翌日の4月17日に最大1万6050人が避難。7日現在、町総合体育館には241人が避難している。町は、整備が進む応急仮設住宅への入居が完了するまでは町総合体育館の避難時をを継続して開設する方針。

■職員に感謝のお別れ 益城町 福祉避難所閉鎖
熊本地震に伴う益城町福原の特別養護老人ホーム「いこいの里」の福祉避難所が7日、閉鎖された。
最後まで残った高齢者らは職員と昼食を囲み、感謝の気持ちを伝えた。同ホームには地震直後、周辺住民ら最大110人が避難。その後、高齢者や障碍者などを受け入れる福祉避難所となり、7月末以降は57~88歳の5世帯9人が過ごした。このほど、全員が仮設住宅や修復した自宅に移ることになったため、閉鎖を決めた。

■熊本市 最後の避難所 閉鎖まで1週間
熊本地震で開設された避難所のうち、熊本市最後の避難所・市総合体育館が15日、閉鎖される予定だ。
身を寄せる80世帯のほとんどの転居先は決まったが、住み慣れた地域から離れる人も少なくない。
残りあと1週間。避難者の胸中には、新たな生活への決意と不安が交錯していた。

9月9日(金) 熊本地震149日目

■阿蘇 輪地切りピンチ
阿蘇の草原を維持し、春の風物詩の野焼きに欠かせない防火帯を作る「輪地切り」(わちぎり)が、熊本地震やその後の土砂崩れなどに伴い、一部で実施できない事態に陥った。野焼きそのものや牧野の管理を見送る組合も出る中、「草原が荒廃するのではないか」との懸念が広がる。
阿蘇には約2万2千㌶の草原が広がり、約1万6千㌶で野焼きが続いてきた。輪地切りは野焼きの際、山林などへの延焼を防ぐため草を棒状に伐採する。

■熊本地震の記録 デジタル保存公開へ
県は、熊本地震の記録を防災教育に生かそうと、被災自治体や民間企業などから収集した写真、動画、文書などをデジタル化して一般公開する「デジタルアーカイブ事業」を本年度から始める。
収集するのは、各市町村の救助や復旧計画、被災家屋の調査態勢といった行政資料のほか、各種団体、個人の写真や動画、図書、雑誌、学術論文など。データベースで検索して閲覧できるようにする。県内では既に市町村や大学、図書館なども収集を進めており、県は「各機関の役割を整理して連携体制をつくり、統一して検索できる仕組みを目指したい」としている。

9月10日(土) 熊本地震150日目

■地震で転作 ソバの花満開
熊本地震で農地被害が相次いだ阿蘇市との水田で、転作作物で植えられたソバの白い花が満開となっている。
外輪山を染める草原や樹木に映える光景を、今年のコメ作りを見送った農家は複雑な思いで見つめている。
JA阿蘇などによると、同市では今季2075㌶で水稲の作付けを計画。しかし、地震で農地に亀裂や段差ができ、水路の損壊も多発したため作付けは85%。転換作物で約80㌶に大豆、約20㌶にソバなどが植えられた。

9月11日(日) 熊本地震151日目

■市民の廃食油 復旧に一役
熊本地震で半壊した宇土市役所本館の解体現場で、市民から集めた廃食油が、バイオディーゼル燃料(BDF)として精製され、重機に再利用されている。廃棄される有害物質が少ない上、市民参加型の庁舎の復旧例として注目されそうだ。BDFは軽油の代わりになり、植物由来であるため、石油から精製したものと違って硫黄酸化物を含まず、黒煙が3分の1に抑えられる。

9月12日(月) 熊本地震152日目

■銘菓「武者がえし」被災乗り越え店頭に
熊本土産として人気の菓子「武者がえし」(熊本市 お菓子の香梅)が10日、熊本地震での工場被災による約5カ月間の生産中止を経て、再び店頭に並び始めた。
売上金の一部は熊本城の復興支援にあてるという。

■「恩返し」のサンマ600匹、大船渡から南阿蘇に
東日本大震災から5年半の11日、被災地の岩手県大船渡市から直送した旬のサンマ600匹が、熊本地震で被災した熊本県南阿蘇村に届き、無料で振るまわれた。

9月13日(火) 熊本地震153日目

■喜びかみしめ白球を追う 東海大九州野球部 地震後初の公式戦
ピンストライプのユニホームがようやく帰ってきた。東海大九州にとって、11日に山鹿市民球場で始まった熊本四大学野球部秋季リーグは、熊本地震以来初めての公式戦。ナインは、プレーする喜びをかみしめながら、声を張り上げ、泥だらけになって白球を追った。野球部の寮とグランドは南阿蘇村にあった。熊本地震では生活と練習の拠点が同時に被災。さらにグラウンド近くのアパートが倒壊するなど、阿蘇キャンパスの学生3人が犠牲になった。
7月になってようやく全員そろって練習できるようになった。迎えた11日の復帰戦。試合前に仲田浩樹主将(4年)が呼び掛けた。「今日は楽しもう。そのうえで勝とう」。対戦相手は熊本大学。七回コールドゲームで復帰初戦を飾った。

9月14日(水) 熊本地震154日目

■熊本地震きょう5カ月 避難者なお502人
4月に県内を襲った熊本地震の前震から14日で5カ月がたつ。ピーク時には県民の1割に及ぶ18万3千人に上った避難者は13日、502人となった。市町村による指定避難所の閉鎖や集約が進むが、現在約1万3千戸が整備・確保された応急仮設住宅(みなし仮設を含む) で被災者の避難生活は継続。生活環境が変わる中で、孤立化防止など被災者支援の重要性は増している。

9月15日(木) 熊本地震155日目

■避難者69人行き先「未定」
熊本地震で大きな被害を受けた益城町で、町総合体育館に避難中の69人の行き先が決まっていないことが分かった。
町議会の災害復興特別委員会で14日、報告された。町対策本部などによると、そのうち38人は自宅が半壊以上、25人は一部損壊の住人で、ほか6人は町外の人たちなど。町の聞き取りなどに対し、いずれも避難所を出た後の行き先を決めていないと話している。

■熊本城復旧費634億円
熊本市は14日、熊本地震で大きな被害を受けた熊本城の復旧費が、概算で634億円に上ると明らかにした。被害状況を目視で確認した、現時点での試算。

■地震、豪雨 ミツバチ不足
熊本地震と6月の豪雨の影響で、農産物の受粉交配に必要なミツバチが不足している。
県によると、イチゴの受粉交配は10月下旬から始まるが、八代地域を中心に必要量の2割に当たる750箱(1箱約1万匹~3万匹)が不足する見通しだ。熊本は全国有数のイチゴ生産県で、県はこのままでは生産量に影響が出るとみて、農家と養蜂家との需給調整に乗り出した。

9月16日(金) 熊本地震156日目

■熊本市 避難所ゼロ
熊本市は15日、熊本地震を受けて開設した避難所のうち、唯一残っていた市総合体育館(中央区出水)の避難所を閉鎖した。地震発生から5カ月で、市内の避難所はゼロになった。
ピーク時には小学校など267カ所に避難所が開設され、最大約11万人が避難生活を送った。
同体育館には15日午前8時まで、30世帯44人が身を寄せていた。避難者らは朝から、毛布や衣類などを運び出し、次の住まいへと向かった。

9月17日(土) 熊本地震157日目

■益城町総合体育館 来月31日閉鎖
熊本地震で大きな被害を受けた益城町は16日、唯一開設している町総合体育館の避難所を10月31日に閉鎖する方針を明らかにした。16日現在、214人が避難しているが、町役場で記者会見した西村博則町長は「10月中旬には町内全ての応急仮設住宅が整備され、必要な戸数を確保できる見込みだ」と述べた。
町は前震が発生した4月14日以降、計18カ所の避難所を開設。ピーク時の同17日には1万6050人を受け入れた。
町によると13日までの調査で、被災者のうち69人が避難所を出た後の行き先を決めていないという。西村町長は「避難者には一人一人、それぞれの事情がある。アパートや貸家の紹介など情報提供もしていきたい」と話していた。
県によると、16日現在で益城町に整備予定の仮設住宅1562戸のうち1285戸が完成。10月中旬までに、バリアフリーの6戸を除く271戸が完成するという。

9月18日(日) 熊本地震158日目

■福祉避難所 7市町村102人
熊本地震の影響で県内の高齢者施設などに開設されている「福祉避難所」は9月1日時点で7市町村23カ所あり、高齢者ら102人が身を寄せていることが17日、分かった。
避難者数はピーク時の1割強まで減少しているが、次の住まいが見つからない人もいる。福祉避難所は、災害時に指定避難所での生活が難しい高齢者や障害者らを受け入れる施設。各市町村が高齢者施設などと協定を結び、開設している。
県によると、1日時点で福祉避難所を開設しているのは、熊本市11カ所16人・益城町5カ所26人・御船町1カ所2人・南阿蘇村3カ所52人・美里町1カ所3人・芦北町1カ所1人。前震から約10日後の4月25日時点では12市町村の49カ所で、117人が避難していた。(益城町、南阿蘇村は不明)。ピーク時は5月20日時点で、13市町村の101カ所に823人が避難。その後は避難者が減少し、福祉避難所の閉鎖も相次いでいる。

9月21日(水) 熊本地震161日目

■みなし仮設5000戸追加 9月県議会予算1777億円増額へ
県は20日、開会中の9月定例県議会に1777億1400万円を増額する2016年度一般会計補正予算を追加提案すると発表。熊本地震の被災者向けの「みなし仮設住宅」を5千戸追加する費用59億200万円などを盛り込んだ。23日に提案する。

■熊本市災害対策本部を解散
熊本市は20日、大西一史市長を本部長とする熊本地震の災害対策本部を解散した。
15日までに全避難所を閉鎖し、余震も終息しつつあることなどから、応急対応にめどがついたと判断した。21日からは危機管理防災総室中心とする災害警戒本部に移行し、余震や台風などによる二次災害などの対応にあたる。

9月22日(木) 熊本地震162日目

■熊本地震 犠牲者102人 熊本市新たに関連死4人認定
熊本市は21日、熊本地震後に死亡した4人を、新たに震災関連死と認定したと発表した。
一連の地震による県内の関連死は計47人となり、直接死50人と、その後の豪雨による二次災害死5人を合わせた102人となった。

9月23日(金) 熊本地震163日目

■公費解体 進捗2割未満 生活再建 遅れも
熊本地震で損壊した住宅の解体を市町村が実施する「公費解体」の申請が、県内で1万8千棟余りに上り、このうち解体済みは2割弱の約3千棟にとどまっていることが22日、県の集計(9月9日現在)でわかった。
公費解体は、甲佐町が6月27日に県内で初めて着手した。現在、計26市町村が申請を受け付けている。
県環境衛生部によると、申請棟数は1万8093棟で、このうち解体を終えたのは、被災者が解体した後に補助を受ける自主解体2369棟と、市町村が事業者に委託する行政解体563棟の計2932棟。進捗(しんちょく) 率は16.2%だった。市町村別にみると、申請棟数は益城町が4785棟で最多。熊本市2714棟、宇城市1705棟、西原村1292棟と続いた。一方、解体の進捗率は高い順に、和水町と小国町が100%(和水3棟、小国1棟)、阿蘇市70.9%(546棟)、嘉島町48.2%(327棟)、西原村42.6%(550棟)など。益城町は3.9%(189棟)、熊本市は14.2%(385棟)だった。

■歴史建造物被害166億円
熊本地震による歴史的建造物の被害状況を調べる文化庁の「文化財ドクター事業」の第一次調査報告会「建築文化遺産の復興に向けて」が22日、熊本大工学部百周年記念館で開かれた。同庁の委託を受けて事業を実施する「熊本地震被災文化財復旧支援委員会」などの主催で、約220人が参加した。
一次調査は6~8月に県内30市町村の商家や社寺の外観を目視で調べた。調査した1350件のうち全壊36、半壊57、傾斜147、部分損壊242、軽微360と判定(21日速報値)。約62%が何らかの被害を受け、被害総額は約166億円と推定。

9月25日(日) 熊本地震165日目

■「みんなの家」交流の核
熊本地震の被災者の孤立防止やコミュニケーションづくりに生かすため、県が応急仮設住宅団地に整備を進める集会施設「みんなの家」。益城町の仮設団地では、子どもや高齢者が集う場として周辺住民に開放するなど、地域との交流を深める動きが出始めている。

9月26日(月) 熊本地震166日目

■益城一丸 校庭駆ける 笑顔いっぱい 被災者ら歓声
益城町では熊本地震後初となる小学校の運動会が24、25の両日、町内の5校であり、復旧と復興へ一緒に元気になろうと地域住民が加わり、児童とともに運動場を駆け回った。
校庭に仮設団地が建った飯野小は25日、新しい運動場で地域と合同の運動会。被災者に配慮して地域の運動会は休止の予定だったが、学校側が「一緒に飯野地区を盛り上げてほしい」と校区の体育協会に呼び掛けた。一生懸命に走る児童を住民はわが子のように「頑張れ」と声を張って応援。
地域運動会の名物競技「ムカデ競走」では、児童らが「行け行け」と住民の背中を押した。
全校児童120人による踊りにも住民らが加わり、一緒にリズムを刻んだ。校庭の仮設団地に住む68歳の男性は「子どもの笑顔が見られて気分転換になった」、小学3年の女児は「学校は地域の人に支えられていると感じた」と喜んだ。

■大津町でカライモ掘り
大津町の仮設住宅で暮らす南阿蘇村立野地区の住民らが25日、同町岩坂の畑でカライモ掘りに汗を流し、「いい気分転換になりました」と収穫の秋を満喫した。仮設暮らしの220人が参加。
手でカライモを掘り出し、焼き芋にして味わったほか、満開に咲いたヒマワリの摘み取りなども楽しんだ。立野地区の4人で参加した73歳の女性は「今年は田んぼをあきらめた。毎日やっていた農作業を思い出す」と笑顔。秋空に子供たちの歓声が響き渡った。

9月27日(火) 熊本地震167日目

■熊本市地震被害 1兆6362億円
熊本市は26日、熊本地震による市内の公共施設や民間施設を合わせた被害額を、計1兆6362億9千万円とする試算を明らかにした。被害額の全容を明らかにした。被害額の全容を示したのは初めてで、このうち民間の住宅や宅地の被害額は1兆2千億円を超える。市議会の「熊本地震からの復旧・復興に関する調査特別委員会で報告した。

9月28日(水) 熊本地震168日目

■被災住宅 応急修理 12月13日の期限延長
県は27日、熊本地震で被災した住宅の応急修理事業について、12月13日までとしていた工事の完了期限の延長を決め、県内全46市町村に通知した。工事の集中による修理事業者不足で期限までに工事が終わらない事態に対応する。完了期限は今後の申請状況に応じて改めて設定する。

■長陽大橋 来夏にも復旧
石井啓一国土交通相は27日の閣議後の記者会見で、熊本地震で損壊した南阿蘇村の阿蘇長陽大橋(276㍍)と戸下大橋(381㍍)を含め、通行止めになっている村道栃の木線について、来年夏をめどに応急的な復旧工事を終え、開通させると発表した。同村で不通が続く国道57号や国道325号線阿蘇大橋の迂回路としてとして、熊本市方面と阿蘇方面、村内の中心部と立野地区を結ぶルートの一つが復活することになる。

■義援金4次配分63億円
県は27日、県と日本赤十字社、共同募金会の3者に寄せられた熊本地震の義援金のうち、第4次分として熊本市や益城町、御船町など27市町村に計62億9960万円を配分すると発表した。新たに被害が確定した人向けで、これまで義援金を受け取った人への追加分はない。県から市町村への基準額の変更はなく、いずれも据え置きの死亡者1人100万円、重傷者同10万円、住宅全壊一世帯80万円、半壊(大規模半壊含む)同40万円。

■来月15日に地震慰霊祭(熊本市)
熊本市は27日、熊本地震の犠牲者を悼む慰霊祭を、10月15日午前10時から中央区桜町の市民会館シアーズホーム夢ホールで開くと発表した。同館大会議室に献花台を設け、正午まで誰でも参列できる。無宗教の献花方式で、花は市が用意。遺族には案内状を送り、遺族代表の挨拶も検討しているという。
市内の地震による死者は27日現在、直接死(二次災害の死者を含む)6人と市が認定した関連死35人。

■宇城市の避難所 来月30日閉鎖
宇城市は27日、熊本地震に伴い市内に唯一開設している市武道館の避難所を、10月30日に閉鎖する方針を明らかにした。
市によると、ピーク時は市内20カ所の指定避難所に1万人以上が避難していたが、26日時点の避難者数は31人。被災者の仮設住宅やみなし仮設住宅への入居が進んだほか、新たに建設中の仮設住宅33戸が10月17日までに完成予定のため閉鎖を決めた。

9月29日(木) 熊本地震169日目

■被害額3兆7850億円 県が試算初公表
県は28日、熊本地震による県内の被害額が9月14日時点で3兆7850億円に上るとの試算を発表した。県が全体の被害額を公表するのは初めてで、2004年の新潟県中越地震で同県が推計した3兆円を上回る規模。住宅関連の被害が2兆377億円で最も大きく、全体の約54%を占めた。ただ、南阿蘇鉄道や熊本空港ビルなど把握できていない被害額もあり、変動する可能性もある。

■みなし仮設申請1万件 22市町村 応急住宅の2倍以上
県は28日、熊本地震の被災者に民間賃貸住宅を提供する「みなし仮設住宅」の入居申請が1万15件になったことを明らかにした。県が整備を進める応急仮設住宅の2倍以上。地震発生から5カ月を経過したが、「仮の住まい」を求める申請は9月以降も1日平均45件のペースで増えている。

9月30日(金) 熊本地震170日目

■熊本地震 関連死 新生児を初認定
熊本市は29日、生後約3週間で死亡した女児を含む6人を、新たに熊本地震の震災関連死に認定したと発表した。県内の関連死はこれで53人となり、直接死の50人を上回った。大雨による二次災害の死者5人を含めて熊本地震の死者は108人となった。新生児が関連死と認定されたのは初めて。
市によると女児の母親は4月14日の前震の際に妊娠5カ月だった。10日ほど車中泊を強いられ、かかりつけ医で切迫早産の疑いがあると診断された。しかし、かかりつけ医も被災しており、救急車と新幹線を乗り継いで九州内の病院に入院した。5月上旬に羊水が真菌に感染していることが分かり、帝王切開で女児を出産。女児の体重は466㌘で、3週間後に敗血症で死亡した。真菌は免疫力が衰えたり衛生状態が悪くなったりすると感染しやすくなり、カンジタ症などを発症する。市は「車中泊による身体的ショックや、ふろに満足に入れない環境で、早産や感染症のリスクが高まったことは否定できない」と判断した。