熊本地震関連のニュースからピックアップ -2016年10月-

熊本地震関連ニュースピックアップは、熊本日日新聞の記事より抜粋しています。

10月2日(日) 熊本地震172日目

■断水解消 農家ら笑顔 地震から5カ月半ぶり
南阿蘇村の長野、袴野地区(158戸)で1日、熊本地震から5か月半ぶりに断水が解消された。地震と豪雨で水源が埋まったため、新たな仮設井戸を掘削。生活や農業用に水汲みを続けてきた住人からの喜びの声が上がった。
村内のほとんどが地区ごとの水源を使う簡易水道。両地区では4月の地震で配水管が破損し、さらに6月の大雨で水源が土砂に埋まるなどしたため、断水が続いていた。このため、村は8月から長野地区の山中に新たな井戸を掘削した。

10月3日(月) 熊本地震173日目

■登山道復活 秋に弾み
9月16日午前、地震から5カ月ぶりに阿蘇市黒川から阿蘇市山上へ通じる登山道路、県道阿蘇吉田線(通称坊中線)が片側通行で仮普及した。数十台の車やバイクが草千里前の駐車場に到着すると、山上周辺の観光業者らに笑みが広がった。
草千里展望所付近の路肩が長さ約600㍍にわたり崩落した登山道路は火口に通じ、パノラマラインと呼ばれる道路からは牛馬が放牧される広大な草原が見渡せる。阿蘇の魅力を凝縮した「阿蘇観光の目玉」の復活だ。

10月4日(火) 熊本地震174日目

■南阿蘇で初の関連死
南阿蘇村は3日、4月16日の熊本地震で倒壊した自宅の下敷きになり、同21日に多臓器不全で死亡した女性(69)を関連死に認定した。県内で54人目、同村では初めて。熊本地震による死者は直接死50人、6月の豪雨による二次災害死5人を合わせて109人となった。

10月5日(水) 熊本地震175日目

■「将来も益城に」74%
熊本大の学生らが益城町の仮設団地(17カ所、1556戸)で実施している聞き取り調査の中間まとめで、7割を超える町民が「将来も地元で暮らしたい」との意向を示していることが4日、分かった。一方で自宅再建に関し、多くの人が資金や防災上の不安を抱いており、自宅再建への支援や情報提供、積極的な防災対策の必要性が際立つ結果となっている。熊本地震によって益城町内の住宅約1万1千棟のうち、全壊・大規模半壊は約4300棟、半壊が約2400棟に上り、地盤の沈下や損傷も目立つ。このため調査への回答は「自宅が再建できる地盤がどうか情報が欲しい」や「年齢的に住宅ローンを組むのが難しい」など不安の声も多かった。調査では、高齢者世帯で復興住宅への入居を希望する人が多数。60代以上の一人暮らしは100世帯を超えており、仮設住宅での孤立化を防ぐ対策も求められている。

10月6日(木) 熊本地震176日目

■災害に強い基盤づくりを
蒲島郁夫知事は5日、3期目の県政運営の基本方針となる2019年度までの新たな4カ年戦略の素案を公表した。熊本地震からの復興の取り組みが中心で、名称は「熊本復旧・復興4カ年戦略」とした。4年間の県の最上位計画となる。
【新4カ年戦略素案の13の施策】
 1 家族地域の強い絆が息づく地域づくり
 2 安全安心で暮らし学べる生活環境づくり
 3 あらゆる状況に備える医療・福祉提供体制の構築
 4 災害に負けない基盤づくり
 5 地域の特性を生かした拠点、まち、観光地域づくり
 6 くまもとの誇りの回復と宝の継承
 7 競争力ある農水産業の実現
 8 経済力を支える企業の再生・発展
 9 自然共生型産業を核としたオープンイノベーション機能の確立
10 地域資源を活かす観光産業の革新・成長
11 地域を支え次代を担う人材確保・育成
12 空港・港の機能向上によるアジアに開くゲートウェイ化
13 世界と熊本をつなぐヒト・モノの流れの創出

■南阿蘇村 最後の仮設住宅完成
南阿蘇村の熊本地震被災者向けとしては最後になる応急仮設住宅の下野山田団地(68戸)が完成し、5日、鍵の引き渡しがあった。
資材不足や梅雨などの影響で工期が約1カ月ずれ込み、避難生活は半年近くになっただけに、入居者はほっとした表情を見せた。
県が同村で整備した仮設住宅は村内5カ所と、立野地区住民向けの大津町の3カ所を合わせ8団地401戸。下野山田以外には308世帯799人が入居し、民間の賃貸住宅を使う「みなし仮設」には962世帯が申請している。
同村内では4日現在、宿泊施設5カ所に約156人が避難。ほとんどが11日までに下野山田団地に移り、残る避難者は断水などで自宅に戻れない阿蘇ファームランドの数世帯になるという。

10月7日(金) 熊本地震177日目

■熊本市 仮設住宅全て完成
熊本地震を受け、熊本市が南区城南町に建設していた仮設団地「藤山第2仮設住宅団地」(45戸)が完成し、被災者が6日入居を始めた。
市が計画した市内9カ所、計541戸の仮設住宅すべでがこれで完了した。熊本市は5月、被害の大きかった東区と南区で仮設建設に着手。460戸ほどを計画していたが、みなし仮設の少ない地域などで需要が増えたため、東町仮設(東区)と藤山第2を増設した。計541戸に533世帯1405人が入居する。

■「益城 住み続けたい」9割
益城町は6日、熊本地震に伴う復興計画策定に向けて町内の全世帯を対象に実施したアンケートの結果を公表した。「益城町に住み続けたい」と望む世帯が9割を占める一方で、「余震や二次災害が不安」と答えた世帯が5割を超えた。震度7に2度襲われ、住民が災害への不安を抱き続けていることがうかがえる。
アンケートは8月18日から9月2日にかけ、町内の1万3097世帯を対象に郵送で実施。4割にあたる5133世帯が答えた。
回答者の6割は60代以上だった。町の集計によると、87%が「益城町に住み続けたい」と回答。「既に町外に移転したが、戻りたい」の3%と合わせると、9割が町内での生活を希望した。一方、「町外に移転した」は7%、「戻るつもりはない」は1%だった。
熊本大学の学生らが町内の仮設団地で実施している調査の中間まとめでは、7割を超える町民が「将来も地元で暮らしたい」との意向を示している。

■細川家墓所修復遠く
熊本市は、熊本地震で被災した中央区横手の国指定史跡・北岡自然公園を報道陣に公開した。細川家三霊廟(れいびょう)の唐門や熊本藩6代藩主・細川重賢公の墓は倒れたままで、復旧には3年以上かかる見込み。被害のなかった庭園エリアのみ、7日から無料解放される。
園内には忠利公らをまつる三霊廟を中心に歴代藩主らの墓25基や石灯篭約160基などが並ぶ。震災で三霊廟入口の唐門が倒壊。墓や石灯篭も、ほぼすべてに転倒やずれが生じ、江戸後期とみられる妙解橋の欄干も崩落した。来年度から本格的な工事に着手し、2019年に完了予定。復旧費は2億8千万円を見込む。

10月8日(土) 熊本地震178日目

■阿蘇山 爆発的噴火
気象庁は、8日午前1時46分ごろに熊本県の阿蘇山の中岳第1火口で爆発的噴火が発生したと発表した。火口から1キロを超えて大きな噴石が飛ぶ恐れがあるとして、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げた。36年ぶりとなる阿蘇中岳の爆発的噴火で、火山活動は不安定な状態が続いており、火口から約2キロの範囲で大きな噴石が飛ぶ可能性があるとして警戒を呼びかけている。

■阿蘇中岳の噴火はおよそ4時間前に前ぶれ
福岡管区気象台は7日、阿蘇中岳第1火口が同日午後9時52分ごろ噴火したとみられると発表した。
噴煙の高さは不明、噴火は5月1日以来、159日ぶり。火口付近の観測点で空振を伴う振幅のやや大きな火山微動を観測噴火と判断した。

10月10日(月) 熊本地震180日目

■阿蘇中岳噴火 噴石 規制区超える 市民ら灰の除去作業
阿蘇中岳第1火口の爆発的噴火に伴い、直径数ミリ~5㌢程度の噴石が火口から1.3㌔の規制区域を大幅に越え、北東側の広範囲に多数降っていたことが9日、同市の調査で分かった。噴火から2日目を迎えた市民らは、降灰の除去作業などに追われた。

■地元「風評被害が心配」
阿蘇中岳の爆発的噴火で通行止めになっていた阿蘇市の阿蘇登山道路・県道阿蘇吉田線(坊中線)は、路上の降灰の除去が完了したとして9日朝、通行を再開した。噴火警戒レベルの3(入山規制)への引き上げで観光への影響が懸念されるが、坊中線で行き来できる草千里には多くの観光客が訪れた。市観光協会の稲吉淳一会長(47)は「地元にとって噴火は雪国の雪かきのようなものだが、風評被害が心配。正確な情報を発信していきたい」と前向きに話した。

10月12日(水) 熊本地震182日目

■熊本地震 回数4000超に倍増
気象庁は11日、熊本地震の地震回数(震度1以上)を精査した結果、10日現在で2137回としていた回数が約2倍の4081回だったと発表した。本震が起きた4月16日は1223回(修正前は202回)発生していたことが判明。観測点が増えているため単純比較はできないものの、1日の回数としては観測史上最多だった。
気象庁は「大規模な地震では速報を重視して判定するため、複数の地震を一つの地震として発表することがある」と説明。数分間隔で地震が発生した時には、より小さな地震の詳細を速報することは難しいという。
10日までに地震の波形を分析して震源地を特定し、震度計で観測した揺れと照合を進めた。
今回明らかになった最大の地震は、4月15日午前0時6分に発生した熊本地方を震源とする最大震度5強。3分前に最大震度6強の地震があり、同じ地震に含めていた。

10月13日(木) 熊本地震183日目

■県内被災者100人聞き取り調査 「心身に不調」半数
熊本地震から半年を機に、熊本日日新聞社は県内被災者100人への聞き取り調査を実施した。
12日までにとりまとめた結果、地震後に心身の不調が生じるなど健康面で変化を感じた人がほぼ半数に達し、生活環境や住まい確保のめどが立たない人も過半数に達し、生活環境の急激な変化や先行きの見えない現状が不安やストレスとなって、体調に影響を及ぼしているとみられる。
調査は9月24日~10月2日、被害が大きく仮設住宅が建設された熊本市や益城町、南阿蘇村など16市町村で実施。対象とした100人から回答を得た。
家族を含め健康面で変化があったかとの問いに、35人が「体調がすぐれない」、8人が「持病が悪化した」、5人が「病気やけがをした」と回答。合わせて48人が不調を訴えた。
◇疲れやすくなった
◇祖父の呼吸器の持病が悪化した
◇食事がのどを通らず眠れない状態で体重が10㌔減 「震災うつ」と診断
◇眠りが浅くなった 揺れに敏感になり、震度1でも目が覚める
◇支援物資の炭水化物ばかりの食事や外食で太ってしまった
◇祖母の物忘れが以前よりひどくなった
具体的に目立つのは「感情の起伏が激しくイライラすることが多くなった」「地震のストレスから眠れなくなった」といった精神面の不調。「子供が学校へ行けなくなった」との回答も複数あった。「突発性難聴を発症」「頭痛やめまい、吐き気がする」「避難生活の負担で夫が糖尿病を発症」といった症状や、「不整脈が悪化し、一時は心肺停止になった」という深刻なケースもあった。
住まいに関しては、将来もとの居住地に戻りたいと77人が回答。しかし、自宅再建や住まいの確保の見通しが立たない人は100人のうち過半数の51人に達した。

■政府補正予算「宅地耐震化」に11億円
国土交通省は11日に成立した政府の2016年度第2次補正予算で、熊本地震からの復旧に向け、盛り土が大きく崩れた住宅団地の崩落防止や液状化対策などに補助する「宅地耐震化推進事業」の費用として11億3500万円を確保した。
県が「長期避難世帯」に認定した宇土市花園団地地区や御船町の中原団地周辺など県内4市町の復旧対策に充てる。

10月14日(金) 熊本地震184日目

■16市町村 聞き取り調査 復興「4~6年」過半数
熊本地震から半年を迎えるのを前に、熊本日日新聞は13日、応急仮設住宅が整備された県内16市町村長の聞き取り調査の結果をまとめた。
復興までに要する年数は5年程度と答えた首長が10人で最多。すべての市町村が厳しい運営を強いられ、全首長が「復旧・復興には財政支援が必要」と訴えている。
調査は、9月下旬~10月上旬に実施。復旧・復興を進めるうえでの懸念や財政状況、復興時期の見込みなどを聞いた。懸念事項の順位付けでは、5人が1番に「財源不足」を挙げ、「道路などのインフラ被害」「住まい確保」「産業面への影響」が続いた。

■関連死 認定待ち125人 県まとめ 仮設住宅94%完成
熊本地震は14日、前震の発生から半年を迎えた。応急仮設住宅の建設が進み、避難者は大幅に減少。一方で震災関連死の認定が増加し、この1カ月で直接死を上回った。認定の可否を待つ人は現時点で少なくとも125人に上る。今後生じかねない関連死を含め、人的被害がどこまで広がるかは見通せない。
県によると13日現在、地震による家屋倒壊や土砂崩れなどで亡くなった直接死は50人。持病の悪化や衰弱などの関連死55人は、この1カ月間の認定で12人増えた。増加分には生後約3週間で死亡した新生児もいた。6月の大雨による二次災害の死者5人を含め、熊本地震の死者は110人に上っている。

10月15日(土) 熊本地震185日目

■「一部破損に義援金」県、市町村合意
県と県内45市町村は14日、熊本地震の復旧・復興に向けた課題を調整する意見交換会を熊本市で開き、公的支援がほとんどない住宅の一部損壊世帯に対して一定の条件を満たした場合、義援金を支給することを決めた。配分の基準や手法については今後、県が検討する。
義援金は、市町村が実施する住宅被害調査で全壊と判断された世帯に原則80万円、大規模半壊を含む半壊世帯に40万円が支給される。
一方、一部損壊世帯は義援金や生活再建支援金の支給対象になっておらず、住宅の修理などに公費支援がない。宇城市や合志市など一部は独自の助成事業を始めたが、他の市町村にも一部損壊世帯から支援を求める声が寄せられている。

■住宅被害 17万棟超に
県は熊本地震から半年を迎えた14日、県内の被害状況をまとめた。住宅被害は1カ月前より約3300棟増えて17万棟を突破。
生活再建の鍵となる罹災証明書は、依頼件数の9割以上に当たる17万5306件が交付済みだが、7300件以上の可否が決まっていない。
26市町村が実施中の公費解体は、想定される2万8484棟に対して解体済みは4160棟。解体がれきの仮置き場不足など自治体の対応が追い付かず、住宅再建の遅れが懸念される。
住宅被害は計17万2566棟。地震による直接的な被害が全壊8235棟、半壊3万645棟、一部損壊13万2966棟。地震との関連が認められた6月の豪雨による損壊も720棟に上る。

10月16日(日) 熊本地震186日目

■熊本市慰霊祭 犠牲者47人を追悼
復興の姿 届けたい
熊本地震から半年を機に、熊本市は15日、犠牲者47人を追悼する慰霊祭を開いた。中央区の市民会館シアーズホーム夢ホールには、震災関連死の遺族や住民ら約300人が参列。祭壇に献花して冥福を祈り、復興への誓いを新たにした。

■被災小中学生県外転校250人
熊本地震による避難のため、県外へ転校している小中学生が、2学期開始の段階で約250人いたことが15日、県と熊本市の両教育委員会への取材で分かった。ピーク時と比べほぼ半減したが、帰還のめどが立たぬ子はまだ多数いるとみられる。
市教育委員会は8月25日時点、同市以外を管轄する県教委は9月1日時点で集計した。その結果、地震前に県内の小中学校に通っていた子で、県外に転校しているのは計249人、そのうち九州・沖縄が計140人と6割弱を占めた。
九州・沖縄の中で最も多い転校先は、福岡県の80人。鹿児島県が22人、宮崎県が13人と続いた。

10月17日(月) 熊本地震187日目

■ふるさと納税 復興支援で急増
熊本地震後に増加している県へのふるさと納税額が4~9月の半年で、48億円を超えたことが16日、県のまとめでわかった。
使途の指定がなければ、どのような経費にも使える一般財源として活用されるが、県は「復旧・復興に活用してほしいとの寄付者の意向に沿いたい」としている。
県総務課などによると、件が直接受け付けた寄付は9月末現在、1万9580件の45億3517万円。これとは別に、他県の自治体が熊本県への寄付を代行受付した分が計2億8740万円届いており、合計は48億2258万円。
昨年同時期は3499万円で、金額は137.8倍に増えた。年間の寄付額では、これまで2010年度の1億3778万円が最高だった。
一方、市町村は、7月末現在の県の集計で、寄付を受けた44市町村の合計が6万764件の10億6146万円に達した。
前年同時期は6397件の1億2493万円で、件数は9.5倍、金額は8.5倍となっている。
被災自治体を中心に多く寄せられており、南阿蘇村は1万3285件の2億4190万円、益城町は3385件の1億3697万円で、前年度の年間受取額に対し、南阿蘇村は7倍、益城町は88倍を超えた。

10月18日(火) 熊本地震188日目

■保健師ら 被災者ケア
熊本地震の被災者を心理面から支える県の「熊本こころのケアセンター」が17日、県精神保健福祉センター内に開所した。保健師らが電話相談を受け、必要に応じて応急仮設住宅などを直接訪問。
地震から半年を迎え、心的外傷後ストレス障害(PTSD)など被災者の心身の不調に、5年間をめどに対応する。人材育成や、仮設団地の集会場での講話など啓発活動も支援する。
相談は平日午前9時~午後4時。専用ダイヤル☎096(385)3222

10月19日(水) 熊本地震189日目

■益城町 避難者100人切る
益城町は18日、熊本地震に伴う指定避難所として唯一開設している町総合体育館の避難者が100人を切り、96人になったと発表した。
町は31日に避難所を閉鎖する方針だが、まだ12人が閉鎖後の住まいを確保できていない。
町によると、12人のうち半数以上は閉鎖日までに、11月完成のバリアフリー仮設や、「みなし仮設住宅」への入居。
自宅の応急処理がいずれも間に合わないという。避難所を出た後の行き先の見通しが全く立っていない人もおり、町は「住民の意向を聞き、閉鎖日までに解決策を考えたい」として、対応を急ぐ。
町は前震が発生した4月14日以降、計18カ所の避難所を開設。避難者数のピークは本震翌日の同17日、町民の約半数に当たる1万6050人に上った。

10月20日(木) 熊本地震190日目

■熊本地震 犠牲者116人に 関連死6人(熊本市認定)
熊本市は19日、熊本地震後に死亡した6人を、新たに震災関連死に認定したことを発表した。
一連の地震による県内の関連死は計61人となり、直接死50人とその後の豪雨による二次災害死5人を合わせた犠牲者は116人となった。

■「福祉避難所」5市町村46人
熊本地震の影響で県内の高齢者施設などに開設されている「福祉避難所」は、1日時点で5市町村に15カ所あり、46人が避難を続けていることが19日、県の集計で分かった。
内訳は、熊本市6カ所9人▽益城町4か所13人▽南阿蘇村3カ所20人▽美里町1カ所3人▽芦北町1カ所1人。
ピーク時は5月30日時点で、13市町村101カ所に823人が避難した。9月1日時点では、7市町村23カ所に102人だった。

10月21日(金) 熊本地震191日目

■被災者支援税制を恒久化 熊本地震で政府検討
政府、与党が4月の熊本地震を受け、大災害で被災した人の生活再建を支援する恒久的な税制改正を検討していることが20日、分かった。災害のたびに臨時的な特例法を作ってきた手法を見直し、熊本地震に加えて将来の災害にも迅速に対応できるようにする。
自宅が崩壊した被災者向けの住宅ローン減税の拡充措置など想定し、12月にまとめる2017年度税制改正大網に盛り込む。

10月22日(土) 熊本地震192日目

■関連死 御船町2人初認定 震災犠牲者119人に
御船町と菊池市は21日、熊本地震後に死亡した計3人を震災関連死に認定した。
同町の関連死認定は初めて。一連の地震による県内の関連死は計64人となり、直接死50人とその後の豪雨による二次関連死5人を合わせた犠牲者は、119人となった。

10月24日(月) 熊本地震194日目

■阿蘇神社にぎわい戻る
熊本地震で大きな被害を受けた阿蘇市の阿蘇神社が、にぎわいを取り戻している。多くの参拝客が連日訪れ、案内役のボランティアも大忙しだ。ガイドの予約は、阿蘇中岳の噴火後も例年の2倍を超え、「復興に向かっている」と関係者は実感している。
一の宮インフォメーションセンターが手掛けるボランティアガイドの予約も急増。同センターによると、1カ月間の案内数は8月が762人、9月は1802人に倍増した。昨年最も多かった11月の774人と比べても、今秋の多さは際立つ。10、11月も「復興割り」の第2弾が呼び水になり、それぞれ千人超の予約が入っているという。

10月25日(火) 熊本地震195日目

■「天空の道」復旧の道険し
観光客に「天空の道」や「ラピュタの道」などと親しまれ、4月の熊本地震で道路や山腹が崩壊した阿蘇市の市道「狩尾幹線」の再会のめどが立っていない。復旧費は、阿蘇市の概算で100億円を超える見込み。市は「新たな起債は難しく、費用捻出は困難」としており、市単独での復旧は難しそうだ。

■熊本地震犠牲者121人に 関連死に2人南阿蘇村認定
南阿蘇村は24日、熊本地震後に死亡した70代男性と80代女性を震災関連死に認定したと発表した。同村の関連死は計3人となった。一連の地震による県内の関連死は66人となり、直接死50人とその後の豪雨による二次災害死5人を合わせた犠牲者は121人となった。

■災害に耐え 黄金色
県が改質したコメの新品種「熊本58号」の収穫が24日、山都町白藤の赤澤法晴さん(63)の棚田であった。熊本地震の影響で一帯は斜面が崩れるなどの被害を受けたが、黄金色の稲穂を実らせた。熊本58号は、合志市の県農業県菜旧センターが15年かけて開発。県産米の主流品種ヒノヒカリよりも食味や収量に優れ、後継として期待されている。

10月26日(水) 熊本地震196日目

■甲佐町で初の犠牲者 益城町は新たに4人
甲佐町と益城町は25日、熊本地震後に死亡した計5人を震災関連死に認定したと発表した。甲佐町は1人で、直接死を含めて初の犠牲者。益城町は4人増え、関連死は計7人となった。一連の地震による圏内の関連死は計71人。直接死50人と、その後の豪雨による二次災害死5人を合わせ犠牲者は126人となった。

■サントリー来月8日再開 嘉島町の熊本工場 ビール生産2割復旧
サントリーホールディングスは25日、熊本地震で被災した九州熊本工場(嘉島町)でのビール生産を11月8日に一部再開すると発表した。ビール類の生産の2割が復旧する。12月には、飲食店向けのたる生ビールの出荷を再開する予定。

10月27日(木) 熊本地震197日目

■宇城市と宇土市で初 震災関連死5人認定
宇城市と宇土市は26日、熊本地震後に死亡した60~80代の計5人を震災関連死に認定したと発表した。宇城市は3人で、宇土市は2人。両市とも直接死ではなく、関連死の認定は初めて。一連の地震による県内の関連死は計76人となり、直接死50人と、その後の豪雨による二次災害死5人を合わせた犠牲者は131人となった。

■被害大の被災地 刑法犯増
県警は26日、熊本地震被害が大きかった南阿蘇村、益城町、御船町で、窃盗などの刑法犯が増加したことを明らかにした。地震の被災家屋を狙った空き巣などの被害の増加が要因とみている。県警によると、熊本地震の前震翌日の4月15日~9月末の県内の刑法犯認知件数は前年比1046件減の3958件。全体的に減少傾向の一方、益城町76件、南阿蘇村24件でいずれも10件増。御船町は9件増の27件だった。そのうち、窃盗犯は益城町58件(12件増)、南阿蘇村15件(4件増)、御船町21件(4件増)だった。熊本地震に関連する県内の窃盗犯は21日現在で80件、(益城町23件、南阿蘇村7件、御船町3件)。県内外の18人を摘発した。避難して留守中の倒壊家屋から現金を持ち出す空き巣や避難所での置引きなどの被害が相次いでいる。

10月28日(金) 熊本地震198日目

■大津町と西原村 カライモ貯蔵庫 再建急ぐ
カライモの産地、大津町と西原村は本格的な収穫期を迎えたが、熊本地震で多くの貯蔵庫が損壊した農家は修理や再建を急いでいる。被害総額は両町村合わせて234棟、計5億4500万円に上る。
大津町が発祥とされるカライモ貯蔵庫は、ブロックやコンクリート製で上部に盛り土をする。内部の気温や温度を一定に保つことで、収穫したカライモを寒さや暑さから守り、長期保存して熟成させることができる。熟成させると糖度が上がるという。国や県、町村が9割を補助する農業施設復旧事業への申請数は、大津町が101棟(再建29棟、修理72棟)で計3億4300万円。西原村は133棟(再建44棟、修理89棟)、計2億200万円に上る。大津町の貯蔵庫1棟あたりの再建費用は1千万円という。

10月29日(土) 熊本地震199日目

■被災16市町村 財政に危機感 「国の支援」強く訴え
熊本地震の被災市町村の財政運営が厳しさを増している。高齢化に伴い増加傾向にある社会保障費などへのしわ寄せが懸念され、基金残高の減少で突発的な財政需要に対応できない恐れもある。被災市町村では、さらなる国の財政支援を求める声が強い。

10月31日(月) 熊本地震201日目

■県内避難者100人切る 宇城市が避難所閉鎖
宇城市は30日、熊本地震で開設した市内の避難所のうち、唯一残っていた市武道館の避難所を閉じた。ピークとなった本震翌日の4月17日には20カ所に約1万1千人が避難。最終的には8世帯15人が武道館にいたが、仮設住宅への入居のめどが立ったため閉鎖した。これで県内の指定避難所に身を寄せる避難者は100人を切って91人となった。残る避難所は西原村、美里町など5町村の計5カ所。このうち益城、御船、大津各町は31日に閉鎖を予定している。