熊本地震関連のニュースからピックアップ -2016年11月-

熊本地震関連ニュースピックアップは、熊本日日新聞の記事より抜粋しています。

11月1日(火) 熊本地震202日目

■益城町 避難所を閉鎖 御船、大津町も 住居確保めど
熊本地震で最大震度7を2回観測した益城町は10月31日、唯一残っていた町総合体育館の指定避難所を閉鎖した。御船、大津の両町も同日、最後の避難所を閉じた。いずれも応急仮設住宅の整備が進み、住まい確保にめどが立ったと判断。残る避難所は西原村、美里町の各1カ所で、指定避難所の避難者は計4人となった。
県内の避難所は最大で855カ所に上り、ピークとなった本震翌日の4月17日には18万3882人が避難。益城町は最大で計18カ所の避難所を設け、ピーク時には町民の約半数に当たる1万6050人が身を寄せた。9月7日からは町総合体育館に避難所を集約。閉鎖時点で9世帯18人が残っていた。

■南阿蘇・立野 357世帯「長期避難」認定
県は10月31日、熊本地震で地域全体での避難を余儀なくされている南阿蘇村立野の357世帯(877人)を、被災者生活再建支援法に基づく「長期避難世帯」に認定した。認定は、御船町の中原団地とその周辺(109世帯307人)、宇土市の花園台町と神馬町の一部(13世帯42人)に続き県内で3例目。対象の世帯数、住民数とも最も多い。
各世帯には住宅の損壊程度にかかわらず、「全壊」と同じ最大300万円の生活再建支援金が支給される。
白川右岸に沿った立野、立野駅、新所の3行政区。阿蘇大橋とともに送水管が崩落して水道復旧のめどが立たず、土砂災害の危険などで、4月16日から出されている避難勧告が解除される見通しも立っていない。村中心部との交通が寸断されたこともあり、大半の住民は隣接する大津町の仮設住宅などに避難している。

■阿蘇神社 きょうから復旧工事
熊本地震で甚大な被害を受けた阿蘇神社は11月1日、倒壊した拝殿や国指定重要文化財の楼門などの本格的な復旧工事を始める。31日に安全祈願祭があった。

11月2日(水) 熊本地震203日目

■宇土市 仮設整備が完了 6団地全143戸 350人が生活へ
熊本地震で約1400世帯が全半壊した宇土市で1日、計画していた応急仮設住宅6団地の全143戸が完成し、県から市へ引き渡された。市によると、全団地で合わせて約350人が生活することになる。

■東海大学合同学園祭
東海大の熊本、阿蘇の両キャンパスによる合同学園祭が1日、熊本市東区渡鹿の熊本キャンパスで始まり、地震被害からの復興を願うモザイクアートがお目見えした。南阿蘇村の阿蘇キャンパスは、熊本地震で校舎や農場などが被災。農学部の学生は7月から、熊本キャンパスで授業を受けている。例年、両キャンパスは別々に学園祭を開いているが、実行委員会同士が話し合って初めて合同で実施した。モザイクアートは3日まで、熊本キャンパスの第一号館ロビーに展示する予定。2、3の両日は模擬店が出るほか、お笑いのライブなどのステージイベントもある。

11月3日(木) 熊本地震204日目

■地震初動対応の再確認を
県は4日、地震から身を守る初動対応を確認する県民参加型の訓練「熊本シェイクアウト訓練」を県内全域で実施する。熊本地震後は初めてで「地震時の対応や災害への備えを再確認する機会にしてほしい」と参加を呼び掛けている。訓練の専用ホームページから参加登録すると、併せて県の防災情報メールの配信を携帯電話やスマートフォンで受ける手続きもできる。訓練は2014年度に始まり3回目。初回は26万人、昨年度は41万人が参加した。

■復興への取り組み 人材や財源へ懸念
地方創生について官民で話し合う県の「まち・ひと・しごと」づくり推進会議(会長・蒲島郁夫知事)が2日、熊本市のホテルであり、各界の代表者から熊本地震の復興に向けて人材や財源の確保を懸念する声が相次いだ。会議は産学者の30団体・組織で構成。地震発生後初めての開催で、それぞれの分野の復旧・復興に向けた課題や取り組みを中心に意見を交換した。

11月5日(土) 熊本地震206日目

■関連死 新たに4人
熊本市は4日、新たに4人を熊本地震の関連死に認定したことを発表した。県内の関連死は82人となり、直接死50人と、その後の豪雨災害による二次災害死5人を合わせた犠牲者は137人となった。

11月7日(月) 熊本地震208日目

■遅れて届いた善意に感謝
熊本地震の被災者のために、福岡県直方市の県分庁舎に集められていた支援物資の一部が6日、ボランティア団体によって益城町の仮設団地4カ所に届けられた。一足遅れて届いた善意に、被災者は「本当に助かります」と喜んでいた。震災後、被災自治体の要請を上回る物資が寄せられ、配られないまま保管されていた。熊本県内では10月末にほとんどの避難所が閉鎖され、被災者は新たな一歩を踏み出したが、福岡県は復興支援にあたる団体などを通して被災地に届けることにしたという。

11月8日(火) 熊本地震209日目

■県内避難所 残り「1」美里町閉鎖
美里町は7日、熊本地震で開設した避難所のうち、唯一残っていた町福祉保健センター湯の香苑の避難所を閉鎖した。応急仮設住宅の整備が完了し、残っていた避難者1人が引っ越しを終えたため。これで県内に残る指定避難所は西原村の1カ所で、避難者は3人となった。
美里町ではピークの4月17日に避難所が4カ所設置され、車中泊を含め約3千人が避難した。県は同町に仮設住宅41戸を整備。仮設住宅やみなし仮設などへの入居が進み、10月24日から同センター1カ所に集約していた。

■南阿蘇村もゼロに
南阿蘇村は7日、熊本地震による村内の避難所をすべて閉じたと発表した。同村は避難生活の環境改善を目指して、体育館などの「指定避難所」から宿泊施設を利用する「二次避難所」への移行を進め、8月にすべての指定避難所を閉鎖。福祉避難所もすべて解消しており、最後の避難者だった1世帯2人が6日、二次避難所のレジャー施設「阿蘇ファームランド」から帰宅した。
同村では4月16日の本震直後、指定避難所12カ所に最多で約2200人が避難。5月中旬から二次避難所への移行を進め、二次避難所7カ所には最多時に約870人が避難していた。

11月9日(水) 熊本地震210日目

■サントリー、被災工場再開
熊本地震で被災しした嘉島町のサントリー九州熊本工場が8日、約7カ月ぶりに稼働を再開した。12月中旬の出荷を目指し、飲食店向けのたる詰め生ビールの仕込みを始めた。地震で停止した主な大手進出企業の工場が全て復旧し、県内製造業の回復に弾みがつくと期待されている。

11月10日(木) 熊本地震211日目

■くまモン 全国へGO!
県は9日、熊本地震への全国からの支援に対し、感謝の気持ちを伝え、「熊本は元気です」とアピールするため、県のPRキャラクター・くまモンが、3年かけて46都道府県を回る“全国行脚”に出発すると発表した。
都道府県庁のほか、支援してくれた企業やボランティア団体、学校などを訪ね、再開に感謝し、交流を深める。旅費を中心とした事業費は年500万円程度を見込んでいる。



11月11日(金) 熊本地震212日目

■復興支援の「取組」
日本相撲協会は10日、熊本地震の被災地支援のため、県に義援金1千万円を寄付した。13日からの九州場所会場となる福岡市の福岡国際センターで10日に行われた前夜祭で九州場所担当部長の境川親方(元小結両国)が県担当者に贈呈し「復旧、復興に少しでもお役に立てることを願っています」と思いを込めた。14~17日には被災地から各日45人を招待する。

11月12日(土) 熊本地震213日目

■宇土市役所 再建 現在地か隣接公園
熊本地震で半壊した宇土市役所本庁舎の再建場所について、市は11日、現在地か隣接する公園のいずれかに決める方針を固めた。
同日始まった「市庁舎建設市民ワークショップ」で、基本構想素案として示した。ワークショップでは、市民や市の若手職員らが5人1組3グループで、新庁舎に求める機能を議論。12月までに計4回開かれ、年度内に策定する基本構想に反映させる。

11月14日(月) 熊本地震215日目

■熊本地震から7カ月 21市町村 復興計画策定へ
熊本地震からの住民の街づくりの生活再建や今後の町づくりの指針となる復興計画(復興プラン)を、県内45市町村のうち21市町村が策定を予定している。法的に策定義務はなく、復興する街の姿を地域で共有するのが主な目的。各市町村とも被害の態様はさまざまで、手探りで策定を続けている。

11月15日(火) 熊本地震216日目

■県内仮設 全4303戸完成 益城町 バリアフリー型も整備
本地震の前震から7カ月を迎えた14日、県が整備を進めていた応急仮設住宅110団地4303戸全てが完成。益城町福富では、障害者が暮らしやすいバリアフリー型の仮設団地6戸も整備され、報道陣に公開された。
県によると、バリアフリー型仮設は東日本大震災の被災地でグループホームタイプが整備されたが、個別住宅タイプは全国初。

■震災関連死 82人
熊本地震の前震発生から14日で7カ月。県のまとめによると、震災関連死はこの1カ月で27人増え、計82人となった。直接死、二次災害による犠牲者を含めた地震の死者は137人となった。

■「復興城主」1万人突破 熊本城 寄付金1億6千万円
熊本市は14日、熊本城修復のため一口1万円以上の寄付を募る「復興城主」への申し込みが1万人を超えたと発表した。復興城主は、1日に受け付け開始。熊本城総合事務所によると、13日(振り込みは8日)までの集計で1万1621人、1億6260万円が集まったという。

11月16日(水) 熊本地震217日目

■道路規制 なお77カ所 県内幹線35カ所通行止め
熊本地震とその後の豪雨、阿蘇中岳噴火で通行止めなどの規制が掛けられた幹線道路延べ約350カ所のうち、地震発生から7カ月が経過した現在も、2割以上の77カ所で規制が続いていることが15日、分かった。

■復興基金から初支出
県は、熊本地震の被災者を支援する総額約523億円の復興基金から初めて26億円を取り崩し、予算化する方針を固めた。地域で守られてきた神社やほこらなど値域コミュニティーの維持に必要な復旧支援などに充当。12月1日開会の定例議会に提案する。

11月17日(木) 熊本地震218日目

■益城町3.5㌔4車線化
熊本地震で甚大に被害を受けた益城町の中心市街地を通る県道熊本高森線について、県が現在の2車線(片側1車線)から4車線(同2車線)に拡幅する方針を固めたことが16日、分かった。4車線化に向けた調査・設計・測量費など約1億円の関連予算を12月1日開会の定例県議会に提案する方針。

11月18日(金) 熊本地震219日目

■公費解体 半年で2割
県は17日、熊本地震で損壊した住宅の解体を市町村が実施する公費解体の10月末時点の進捗率を発表した。申請を受け付けている27市町村の平均は20.8%で、9月末時点から6.3㌽上昇した。
損壊家屋の解体は、その後のマイホーム建設などに影響するだけに、生活再建の重要なステップと位置付けられている。解体が想定される2万8782棟に対し、解体済みは5991棟だった。

11月19日(土) 熊本地震220日目

■県内指定避難所 全て閉鎖
西原村は18日、熊本地震で県内市町村が開設した指定避難所で唯一残っていた、村構造改善センターの避難所を閉じた。最後の避難者となった2人は同日早朝に退所。60代女性は修復を終えた村内の自宅、70代女性は村外のアパートへ移った。
本震で最大震度7を観測した西原村ではピーク時、村の指定避難所全6カ所に1809人が身を寄せた。
指定外の公民館や広場などに避難した人を合わせると、人口の6割近い4000人以上が一時避難した。損区内の仮設住宅団地は小森団地のみで現在、312戸に約850人が入居。アパートなど村内外のみなし仮設住宅には146世帯、約500人が暮らしている。

11月20日(日) 熊本地震221日目

■被災の熊本城 癒やす紅葉
熊本地震で大きな被害を受けた熊本市中央区の熊本城一帯で、ケヤキやイチョウなどの木々が色づき、秋の深まりを感じさせている。
天守閣や宇土櫓などへの入場規制が続く中、二の丸広場には19日、多くの観光客が訪れた。大きく崩れた石垣などに驚く一方で、雨に洗われた紅葉の美しさに見とれていた。

11月21日(月) 熊本地震222日目

■公費解体 申請止まらず
熊本地震の被災家屋を行政が解体する「公費解体」で、熊本市は10月31日で受け付けを終了したが、いまも申し込みが相次いでいる。今月1~17日の間に寄せられている相談は50件以上。市は「これまで申し込みができなかった正当な理由があれば受け付ける」としている。

11月22日(火) 熊本地震223日目

■益城町が災害本部解散 仮設 応急対応めど
熊本地震で大きな被害を受けた益城町は21日、災害対策本部(本部長・西村博則町長)を解散した。10月末に町内の避難所をすべて閉鎖し、11月16日には応急仮設住宅への入居が完了したことで、応急対応にめどが付いたと判断した。今後は6月に新設した復興本部が、庁内の連絡調整役としてて被災者の生活再建支援や町の復旧・復興事業を行う。

11月23日(水) 熊本地震224日目

■看護職 139人離職 病院震災、心の不調も
県内の看護師や保健師などの看護職で、熊本地震による離職が7月時点で少なくとも32病院139人に上っていることが22日、県看護協会の調査で分かった。勤務先の病院が診療を再開していないため離職したケースが多いとみられる一方、地震後の心身の不調を訴える人もいる。同協会は「再就職支援や心のケアに力を入れる」としている。

11月24日(木) 熊本地震225日目

■11市町村で災害公営住宅 仮設退去後見据え計画
熊本地震で住宅を失った被災者を対象に、応急仮設住宅を整備した県内16市町村のうち11市町村が、仮設退去後の災害公営住宅の建設を計画していることが、23日までに熊本日日新聞の調べで分かった。大半が仮設住宅の入居期限(2年)を見据えて2018年夏ごろまでの完成を目指し、被災者への聞き取りなどで必要戸数の把握を急いでいる。

11月25日(金) 熊本地震226日目

■県予算案 復興基金26億円 10事業に
県は、熊本地震復興基金から25億9500万円を取り崩し、市町村からの要望が多かった10事業に活用する。
公共事業での復旧対象にならない宅地や私道の被害についても、基金の活用を検討中。国に求めている補助制度拡充の結論を待って判断する。
【12月補正で対応する復興基金のメニュー案】
・二重ローン対策
・認可外保育園の保育料補助
・放課後児童クラブの利用料補助
・私立幼稚園の授業料など補助
・木造住宅耐震診断への補助
・民営水道施設の災害復旧支援
・農地の自力復旧支援
・地域コミュニティー施設再建支援
・自治公民館の再建支援
・消防団詰め所再建支援

11月27日(日) 熊本地震228日目

■復興後押し活動に幕 善意の力 3万8000人
熊本地震の災害支援ボランティアを受け入れてきた熊本市災害ボランティアセンターが26日、閉鎖された。支援依頼の減少を受け、10月末で依頼の受付を終了していた。4月22日の開設以降、延べ約3万8千人が約5千件の依頼に応え、復興を後押しした。

11月28日(月) 熊本地震229日目

■被災ペット 新たな「家族」
県は27日、熊本地震後に飼い主とはぐれるなどして県が保護した犬猫の譲渡会を、熊本市中央区の県庁プロムナードで開いた。犬2匹、猫5匹の新しい飼い主が決まった。保護された動物を身近に知ってもらおうと初めて県庁で開催。
健康状態が良く、人に慣れている犬8匹と猫15匹の飼い主を捜した。親子連れなど約70人が、保護当時の状況を開いたり、腕に抱えて相性を確かめたりした後、飼育の講習を受けた。

11月29日(火) 熊本地震230日目

■益城スイカ努力の実り「大玉出荷」始まる
熊本地震で被災した益城町の農家が育てた大玉スイカの出荷が28日、同町田原のJAかみましきスイカ選果場で始まった。来年6月にかけ約37万個の出荷を見込み、県内や東京、大阪、名古屋の大都市圏などに届ける。同JAによると、町内では地震の影響で一部の農家がスイカ生産を取りやめたが、前年とほぼ同じ約70世帯が約75㌶で栽培。冬場もボイラーを使わずビニールを最大4枚重ねたハウスで育てるのが「益城スイカ」の特徴という。