熊本地震関連のニュースからピックアップ -2016年12月-

熊本地震関連ニュースピックアップは、熊本日日新聞の記事より抜粋しています。

12月1日(木) 熊本地震232日目

■ボランティア調整役 地元に
熊本地震の被災者ニーズを共有し、支援するボランティア団体間や行政との調整役を担った全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD=ジェイボアード)が30日、県内での常駐体制を解いた。今後はボランティア団体を側面から支援する。調整役に特化したJVOADが6月に発足。熊本地震の発生時は設立準備中だったが、前震翌日の4月15日から数人が県内に常駐し、地元団体や行政も加わる「火の国会議」の運営を担った。会議には延べ約300団体が参加。災害時に官民が連携し、組織的な支援活動につながった初めてのケースとして注目された。
火の国会議などの今後の運営は、10月発足したくまもと災害ボランティア支援団体ネットワーク(kVOAD=ケイボアード)が担当。

12月2日(金) 熊本地震233日目

■倒壊の楼門 しばし見納め
熊本地震により倒壊した阿蘇神社(阿蘇市)国指定重要文化財・楼門を覆う素屋根の組み立て作業が、1日始まった。今月中旬には完全に覆われて外から見ることができなくなる。年明けから約1年かけて解体する。

■ホテルキャッスル全室での宿泊再開
熊本地震で被災し、一部客室の利用を休止していた熊本キャッスル(熊本市)は1日、全179室での宿泊の受け入れを再開した。同ホテルの客室は、地震で浴室のタイルが剥がれ落ちるなどの被害が出た。8月5日に補修工事を終えた70室で宿泊を再開。残りの客室も補修を進め、今回10階の18部屋を再開し、約7カ月半ぶりに全室での営業となった。

■一部損壊に5万円
益城町は1日、町に寄せられた熊本地震の義援金約9億3千万円(11月28日現在)の配分先として、自宅を一部損壊と判定された世帯に一律5万円を支給すると明らかにした。年明けにも対象世帯の申請を受け付け、本年度中の支給開始を目指す。

12月3日(土) 熊本地震234日目

■高校生に「給付型奨学金」
県教育委員会は、熊本地震で経済的に就学困難となった高校生らを対象に、卒業すれば返還を免除する奨学金制度を設ける。被災で収入が激減した世帯などが対象で、一定の条件に応じて月額1万8千~3万5千円を、4月にさかのぼり12カ月分貸与する。卒業を条件とした事実上の給付型奨学金で、県内の自治体では初めて。県高校教育課によると、県内の公・私立高校で、自宅が全半壊などの被害を受けた生徒は約3500人に上る。東日本大震災の被災県でも事実上の給付型奨学金を設けて被災した高校生らの修学を支援した例がある。

12月4日(日) 熊本地震235日目

■「傾いた家」抜本策遠のく
熊本地震で広く液状化が起きた熊本市、南区の日吉・近見地区の一部では、傾いた家を元に戻す工事が進んでいる。他方、家屋を解体する住民もいるが、その後の地盤改良や家屋再建までは見通せてない。震災から8カ月、復旧の遅れに、地区では「自分たちだけ取り残されているようだ」という声も聞こえる。

■ボランティアが土砂取り除く。 県内外50人 独自の復旧支援
熊本地震や豪雨災害で被災した農村を支援しようと、県内外から集まったボランティアが3日、御船町の山中で農業用水路の復旧に取り組んだ。地元農家の要望を受け、中間支援組織「ふるさと発復興会議」が広く参加者を募って実施した。

■セラピードッグ「かわいい」
熊本地震の被災者の心を癒そうと、日本レスキュー協会(兵庫県伊丹市)などが3日、「セラピードッグ」と呼ばれる犬を西原村のにしはら保育園に派遣し、子供たちと交流した。協会の4人と訓練を受けた犬3匹が訪問。園児や家族約20人とボール遊びや散歩を楽しんだ。子どもたちは犬を優しくなでて、「かわいい」「毛がふわふわ」と歓声を上げていた。

■ほくほく焼き芋どうぞ
熊本地震の被災者を元気づけようと、岡山県の福祉関係者らでつくる「平成いもの会」が3日、甲佐町の仮設団地などで、障害者らが育てたサツマイモを使った焼き芋を振る舞った。同会は、障害者と地域住民の団体。サツマイモの栽培を通じた交流活動を続けており、2001年には東日本大震災の宮城県に焼き芋を届けた。

12月6日(火) 熊本地震237日目

■「復興」「子育て」併設 高齢者孤立防止狙い
甲佐町は5日、熊本地震の被災者向けに建設する30戸の災害公営住宅(復興住宅)と、町が従来から計画していた子育て支援住宅30~50戸を併設する計画を明らかにした。復興住宅は高齢者世帯に偏りがちなため、同じエリアに子育て世代の定住を促し、被災者の孤立を防ぐ狙いがある。

12月7日(水) 熊本地震238日目

■火山活動 今も活発
阿蘇中岳の36年ぶりの爆発的噴火から、8日で2カ月となる。この間、噴火はないが、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は多い状態が続き、高温のガスなどが雲や噴煙に反射して赤く見える。「火映」現象は11月12日以降、頻繁に観測されている。火山活動は依然活発として、気象庁は噴火警戒レベル3を維持している。

12月9日(金) 熊本地震240日目

■震災関連死1人認定
大津町は8日、熊本地震の震災関連死に新たに1人を認定した。同町の関連死は4人、県内の関連死は96人となった。直接死50人とその後の豪雨災害による二次災害死5人を合わせた犠牲者は計151人となった。

12月14日(水) 熊本地震245日目

■熊本市液状化2900戸 地震被害 近見、川尻に集中
熊本市は13日、熊本地震に伴う液状化被害を受けた住宅が、市内全域で約2900戸に上るとの調査結果を明らかにした。南区の近見から川尻にかけてのエリアに被害が集中している一方で、城南町や白川河口域などでも液状化が確認された。

■児童生徒 心身不調36%
熊本地震を受け、県内の特別支援学校19校の保護者を対象にしたアンケート結果がまとまった。避難生活を送った997人のうち「車中泊」をした人は65%を占めた。児童生徒の36%が地震のストレスで「眠れない」など、心身の変化を訴えている。県特別支援学校知的障害教育校PTA連合会が9月に実施、全体の84%、1579人が答えた。避難先は複数回答で、車中泊が657人と最も多く、ついで自宅近くの避難所290人、県内の親戚・知人宅が173人。福祉避難所は37人にとどまった。

12月15日(木) 熊本地震246日目

■地震「仮住まい」4万1000人 県集計 県民43人に1人
熊本地震で損壊した自宅を離れ、仮設住宅や公営住宅で暮らす被災者が約4万1千人に上ることが14日、県の集計で分かった。2015年の国勢調査に基づく県人口178万6170人の2.3%に相当。地震発生から8カ月の時点で、県民の43人に1人が「仮住まい」続けている実態が浮かんだ。

■震災関連死 100人超 阿蘇市 新たに6人認定
阿蘇市は14日、熊本地震の震災関連死に6人を新たに認定した。同市の関連死は12人、県内では102人となった。熊本地震の前震発生から8カ月。関連死は100人を超え、直接死50人、豪雨による二次災害死5人を合わせた犠牲者数は157人に上っている。

12月16日(金) 熊本地震247日目

■南阿蘇鉄 全線再開に期待 JR豊肥線 一部先行復旧へ
JR豊肥線は、立野(南阿蘇村)で同線と接続する南阿蘇鉄道にとって生命線。JR九州が、熊本地震で被災した肥後大津(大津町)-立野を先行復旧させる見通しを示したことに、一部運休が続く同鉄道や沿線住民からは「全線復旧に向けた後押しになる」と期待する声が上がる。

■益城町 職員定数22人増へ
益城町は15日、熊本地震からの復興に向け必要な業務に対応するため、町長部局の職員定数を現在の185人から207人に増やす方針を明らかにした。同日開会した12月定例町議会に町職員定数条例改正案を提案した。

■西原村 一部損壊に3万円
西原村は15日、全国から同村に寄せられた熊本地震の義援金約1億2500万円(11月末現在)の配分対象と金額を明らかにした。全半壊世帯だけでなく、一部損壊世帯にも一律一世帯3万円を支給する。人的被害は震災関連死を含む死亡者10万円、重傷者2万円。住宅被害は全壊10万円、大規模半壊・半壊5万円、一部損壊3万円とした。
同村の被害は11月21日現在で死者5人、重傷者18人、家屋の全壊513件、大規模半壊・半壊845件、一部損壊1040件。

■国道212号線全面開通
熊本地震の影響で片側通行が続いていた大分県日田市と小国郷を結ぶ国道212号が16日午後5時に全面開通する。
4月16日の本震により日田市内の3カ所で斜面が崩れて全面通行止めとなり、土砂の除去や落石防護網などを設置して8月26日から片側通行となっていた。

12月17日(土) 熊本地震248日目

■関連死新たに1人 熊本市
熊本市は16日、新たに1人を熊本地震の関連死に認定したことを発表した。認定は12日付。県内の関連死は103人となり、直接死50人と、豪雨災害による二次災害死5人を合わせた犠牲者は158人となった。

■地震負傷者 把握難しく
県が市町村の報告を基に公表している熊本地震の県内の負傷者に関し、重傷者らの調査方法が自治体によって異なり、特に軽傷者については十分に把握できていないケースがあることが15日、熊本日日新聞の調べで分かった。14日現在の県内の負傷者数は2617人。しかし、地震から8カ月を機に全市町村へ聞き取り調査を実施した結果、軽傷者の把握を断念した自治体もあり、実際の負傷者数は公表数を上回るとみられる。

■地震復旧「労災急増」 県内現場「人手不足」
熊本地震の復旧工事が本格化するのに伴って、家屋の修理やがれきの撤去などの際に作業員がけがをする労働災害事故(休業4日以上)が急増している。これまでに127件に達し、死者は4人。熊本労働局などは、安全対策の徹底を呼びかけている。

■鳥取地震のその後、避難者ゼロに
鳥取県中部で最大震度6弱を観測した地震で、同県倉吉市の避難所に残っていた最後の被災者1人が16日、退去した。地震発生から2カ月近くがたち、避難者はゼロになった。地震が発生した10月21日、倉吉市など6市町の約40カ所の避難所に約3千人が避難していた。

12月19日(月) 熊本地震250日目

■みなし仮設住宅入居 被災者支援遅れ 7市町村「連絡態勢無し」
熊本地震で自宅に住めなくなり、民間賃貸の「みなし仮設住宅」に入る被災者を支援する自治体が半数以下に限られることが18日、熊本日日新聞社の調べで分かった。
みなし仮設の申請を受け付けた県内24市町村のうち3戸以上の20市町村に限ってみると、訪問や見守り活動を始めたのは9市町村にとどまった。20市町村のうち、みなし仮設住宅入居者との連絡態勢が「ある」としたのは13市町村。支援内容は、いずれも「訪問、電話による面談や聞き取り」で、9市町村が着手し、7市町村が準備・検討中。4市町は「支援は必要ない」としている。

12月20日(火) 熊本地震251日目

■一部損壊への義援金支給
熊本市は19日、熊本地震で一部損壊の被害を受けた世帯を対象にした義援金の支給申請受付を始めた。屋根や外壁など、指定範囲の修理で100万円以上かかった世帯に、一律10万円を支給する。初日は、計157件の申請があった。法律に基づく公的支援がほとんどない一部損壊世帯への救済策として、県などが配分を決めた。熊本市の一部損壊(罹災証明書発行分)は16日時点で6万5438件に上る。

■南阿蘇行き 上益城から
熊本地震により、阿蘇地方と熊本市方面を結ぶ国道57号や俵山トンネルの寸断が続く中、県上益城地域振興局は、御船町や宇城市から南阿蘇方面へ向かう「かみましき阿蘇観光サザンルート」の利用を呼び掛けている。渋滞が少なく、積雪や凍結の心配も比較的少ないという。現在、国道57号の迂回路として最も利用が多い県道北外輪山大津線(通所ミルクロード)は渋滞が頻発。俵山バイパスを迂回して南阿蘇方面に向かう県道「グリーンロード南阿蘇」も15日には、凍結と積雪による事故で通行止めとなるなどした。一方サザンルートは九州自動車道の御船インター(御船町)から国道445号-218号-265号を通って高森町まで約90分。松橋インター(宇城市)からでも、国道218号経由で約100分で到着する。

12月21日(水) 熊本地震252日目

■一部損壊への義援金支給
県が20日まとめた2016年の推計人口調査結果によると、10月1日現在の人口は177万4538人で。前年からの1年間で1万1632人減少した。減少率は0.65%で、記録が残る1966年以降では5番目に高い水準だった。熊本地震に伴う被災市町村での転出増が影響したとみられる。

■関連死 新たに2人
甲佐町は20日、新たに80代の男女2人を熊本地震の震災関連死に認定したと発表した。同町の関連死は3人、県内では105人となった。直接死50人と、豪雨災害による二次災害死5人を合わせた犠牲者は、160人となった。

12月22日(木) 熊本地震253日目

■県、警戒本部を解散
県は21日、熊本地震などで災害対応で8月末から設けていた災害警戒本部(本部長・本田圭危機管理監)を同日付で解散した。休日や夜間の宿・日直・各部署の災害待機は通常態勢で継続する。県危機管理防災課によると、11月までにな応急仮設住宅の建設が終わり、すべての指定避難所も閉鎖。10月に爆発的噴火があった阿蘇阿蘇中岳第一火口の活動が低下したことなどから解散を決めた。

■震災関連死 新たに5人 南阿蘇村4人、西原村1人
南阿蘇村と西原村は21日、熊本地震の震災関連死に計5人を認定したと発表した。南阿蘇村は4人増えて計7人。西原村は初めて。県内の関連死は110人となり、直接死50人と豪雨による二次災害死5人を合わせた犠牲者は165人となった。

■大津町も見舞金 修理費、100万円未満で10%
大津町は21日、熊本地震で一部損壊した住宅の無修理費が100円未満の世帯に対して、町独自に見舞金として修理費の10%を支給すると明らかにした。100万円以上の世帯には県の義援金10万円が配分されるため、対象外の世帯に町の一般会計から支出する。

12月23日(金) 熊本地震254日目

■南阿蘇村に復興事務所 国交省 工事助言へ研究室も
熊本地震からの復旧・復興関連で、国土交通省は22日、災害復旧工事に当たる「熊本復旧事務所」と、工事の助言を行う国土技術政策総合研究所(茨城県)の「熊本地震復旧対策研究室」を来年4月に南阿蘇村へ新設する組織改編を決めた。同研究所が個別の災害専門の部署を設けるのは初めて。同日に閣議決定した2017年度政府予算案にも関係経費を盛り込んだ。

■熊本市 罹災証明書でミス11件
熊本市は22日、熊本地震の罹災証明書発行で11件のミスがあり、うち7件で義援金や被災者生活再建支援金など計406万円を過大支給していたと発表した。追加支給の必要があるのは3件計180万円、1件は調査中の家屋に105万円を支給していた。

■菊池市 独自に5万円
菊池市は22日、熊本地震で一部損壊した住宅の修理費が50万~100万円未満の世帯に対して、独自に一律5万円を支給することを明らかにした。市に寄せられた義援金約1億500万円(21日現在)から充てる。対象は屋根や柱、基礎部分など、日常生活に欠かせない部分の修理に限る。申請は罹災証明書や領収書、見積書などが必要。来年2月から再来年3月まで、市福祉課などで受け付ける。

■菊池・阿蘇スカイライン 28日から昼間片側通行
県は22日、熊本地震で不通になった県道菊池・阿蘇スカイラインの復旧工事を終え、28日午前10時から、昼間のみ片側通行させると発表した。

12月28日(水) 熊本地震259日目

■関連死 新たに4人 宇土市、宇城市 県内120人に
宇土市と宇城市は27日、熊本地震の震災関連死にそれぞれ2人を新たに認定したと発表した。県内の関連死は120人となり、と直接死50人と豪雨による二次災害死5人を合わせた犠牲者は175人となった。

12月29日(木) 熊本地震260日目

■関連死 新たに3人
熊本市は28日、新たに3人を、熊本地震の震災関連死に認定したと発表した。認定は27日付。県内の関連死は123人となり、直接死50人と二次災害死5人を合わせた犠牲者は178人となった。