熊本地震関連のニュースからピックアップ -2017年5月-
熊本地震関連ニュースピックアップは、熊本日日新聞の記事より抜粋しています。
5月5日(金) 熊本地震387目
■美里町で震度4 被害なし
4日午後2時22分ごろ、熊本地方を震源とする地震があり、美里町で震度4を観測した。県内で震度4以上は3月2日に高森町で同4が観測され、震源を熊本地方に限ると1月11日の菊池市の同4以来。県などによると、地震による被害や交通の乱れはなかった。
5月9日(火) 熊本地震391目
■熊本地方で5回の地震
7日夕から8日昼にかけて、いずれも熊本地方を震源とする地震が5回発生した。7日午後9時36分ごろには宇城市で震度3を観測。熊本地方気象台によるとこの地震の震源は深さ約10㌔で、地震の規模はマグニチュード(M)2.8と推定される。
5月10日(水) 熊本地震392目
■道路、橋の被災 冊子に
県土木部は、熊本地震による道路や橋りょう、河川など公共土木施設の被災状況を冊子にまとめた。写真を多用し、未曾有の地震災害の爪痕を生々しく記録している。
冊子では、道路や河川・港湾、住宅・宅地など、分野ごとに被害の発生場所を地図に落とし込み、写真入りで紹介。復旧状況も盛り込んだ。A4判32ページで、関係機関向けに千部作成。県ホームページでも紹介している。
5月13日(土) 熊本地震395目
■熊本市 倒壊恐れ50件
地震などによる倒壊で二次災害の恐れがある「老朽危険家屋」が、熊本市内で約50件に上ることが12日、分かった。市は、所有者を割り出し、適正管理を求めるなどの対応を強化する。大西一史市長が記者会見で明らかにした。
5月14日(日) 熊本地震396目
■地震で就学援助1655人 昨年度 最多は益城町765人
熊本地震で応急仮設住宅を援助する「就学援助」の対象となった小中学生が2016年度、1655人に上ることが13日、熊本日日新聞の調べで分かった。識者は「被災して不安定になっている家庭は多く、経済問題にとどまらない支援が必要だ」と指摘している。地震が原因で対象となった児童生徒が最も多かったのは、2度の震度7に見舞われた益城町で小学生541人、中学生242人の計765人、地震以外も含めた就学援助は計1059人で、地震分が72.2パーセントを占めた。同町では、全児童生徒の3人に1人が就学援助を受けている計算となり、被害の大きさがうかがえる。
■「戻りたい」灯火に祈り
熊本地震で被災し、閉鎖中の東海大阿蘇キャンパスがある南阿蘇村の再興を願い、同大学農学部生らが13日、村内道の駅「あそ望の郷くぎの」を灯篭で彩る「灯り(あかり)物語を繰り広げた。学生や村民、支援者ら約8千人から集めた応援メッセージを張った紙灯篭約3千基が輝いた。その明かりに、学生らは「また阿蘇に戻りたい」と祈った。
5月15日(月) 熊本地震397目
■南阿蘇村 立野断水 8月解消へ「長期避難世帯」解除も検討
南阿蘇村は14日、熊本地震の断水が続いている立野地区の水道について、8月をめどに応急復旧させる意向を示した。国営立野ダムの工事用井戸の余剰水を排水する。水道の復旧時期に合わせて、同地区の約350世帯が認定されている「長期避難世帯」の解除も検討する。
5月17日(水) 熊本地震399目
■関連死 新たに3人 熊本市
熊本市は16日、熊本地震後に死亡した女性3人を震災関連死に認定したと発表した。県内の関連死は170人(うち熊本市66人)となり、直接死50人と大雨による二次災害死5人を含む犠牲者は、225人となった。
5月18日(木) 熊本地震400目
■公費解体 進捗率62.1% 4月末
県が17日に公表した熊本地震で損壊した住宅の公費解体棟数の集計によると、進捗率は4月末時点で62.1%となり、前月末から2.8%上昇した。まだ1万3千棟余りが残っている。解体が想定される3万5305棟に対し、解体済みは2万1939棟だった。想定棟数は、罹災証明書や公費解体の締め切り前に申請が増加し、前月末から556棟増えた。
5月19日(金) 熊本地震401目
■阿蘇市 1人関連死 県内171人に
阿蘇市は18日、熊本地震後に死亡した女性1人を震災関連死に認定したと発表した。同市での関連死は18人、県内では171人になった。直接死50人と二次災害死5人を合わせ犠牲者は226人となった。
5月23日(火) 熊本地震405目
■「特に危険」新たに74カ所
県は22日、熊本地震の被害を受けて実施した土砂災害警戒区域の見直し結果を公表した。阿蘇など3市町村74カ所が、新たに土砂災害の危険性が特に高い「レッドゾーン」と呼ばれる特別警戒区域に相当すると判断。区域内には約190棟があり、住民に警戒を呼び掛ける。
5月24日(水) 熊本地震406目
■阿蘇大橋など 保存検討会を設立
熊本地震の傷痕を後世に残し防災学習や観光に生かそうと、南阿蘇村は23日、村震災遺構保存検討会を設立した。崩落した阿蘇大橋の残骸や一帯の山腹崩落、露出した断層など6カ所が保存候補に上がり、今後は対象を精査して保存、活用の方法を検討する。
6月上旬までさらに候補地を募り、8月中旬に保存対象を決める予定。今後は、県が熊本地震の経験や教訓の活用を目指す「震災ミュージアム構想」との連携も考える。
5月25日(木) 熊本地震407目
■地震関連の相談2428件
県消費生活課は23日、相談窓口「県消費生活センター」の2016年度の運営概要を発表。熊本地震に関連する住宅の補修工事やアパート契約などの相談が総相談件数の32.3%(2428件)を占め、件数全体を押し上げた。総相談件数は前年比23.5%増の7508件で、増加は4年ぶり。地震関連の相談で最も多かったのは「住宅・住宅設備などの工事、補修、解体サービス」で557件。具体的には「口約束で工事を始め、後で高額な請求を受けた」「契約を結んだが工事が始まらない」などがあった。
5月26日(金) 熊本地震408目
■合志市 関連死1人認定
合志市は25日、50代の女性1人を熊本地震の震災関連死に認定したと発表した。同市の関連死は7人、県内では172人となった。直接死50人と大雨による二次災害死5人を合わせた犠牲者は227人。
5月27日(土) 熊本地震409目
■活断層の存在7割「知らず」
昨年4月の熊本地震で、被害が集中した地域の住民の7割が、地元に活断層があるのを「知らなかった」と文部科学省の調査に回答したことが26日、分かった。存在を知っていた人でも半数以上は「地震は多分起きないだろう」と考えていた。活断層への住民の認識が十分でない中、2度の最大震度7の揺れに襲われたことが浮き彫りになった。気象庁が発表した余震の確立についても「大きな地震はもう起きない」と解釈され、避難に生かされていなかった。
5月30日(火) 熊本地震412目
■自治体職員 時間外労働疲弊
震災激務 終わりなく 専門家「励ましの一言を」
「新しい仕事が次々と降ってくる。地震被害に苦しむ住民のためと信じて懸命にやっているが、終わりが見えなくてつらい」。ある自治体で被災者支援の窓口を担当する30代の男性職員は、机上に山積みになった書類を見ると憂鬱になるという。通常勤務に上乗せされた震災対応。被災自治体の職員は経験したことのない長時間労働と、質の高い仕事に追われている。さらに職員の多くは被災者だ。益城町役場に勤める若手の1人は「家族の将来などを考え出すと眠れない。昼も夜も地震から離れられない」と力なく笑う。時間外労働を強いられているにもかかわらず、仕事ぶりが賃金に反映されない状況が生じているという声も漏れる。
「上司から『財政が厳しい。時間外労働を半分に』とささやかれた」と、ある被災自治体の20代男性職員は打ち明ける。「仕方ない」と自分を納得させてはいるものの、「公務員も労働者なのに・・・」と肩を落とす。